21世紀のコミック作家の会

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東京都青少年育成条例の改定案可決に対する抗議声明
 私たち(社団法人日本漫画家協会・21世紀のコミック作家の会・マンガジャパン)は、東京都議会が平成22年12月15日、「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の改定案を可決したことに強く抗議します。改定案は、漫画・アニメと、規制対象となる表現方法を限定したものであること、漠然・不明確な要件によって漫画家の創作活動を萎縮させる恐れがあること、及び、可決に至るプロセスに問題があることから、到底、容認できるものではありません。

 まず、「著しく不当に賛美し又は誇張」という文言は一読してどのような場合をいうのか明らかでなく、6月の議会で否決された改定案以上に表現の自由を侵害する恐れがあります。これに対し、都は「描くこと自体を妨げることはないのだから表現の自由を侵害することにはならない」などと反論していました。しかしながら、仮に不健全図書に指定された場合には、当該図書の販路が著しく狭められることになり、漫画家が性表現の問題にかかわる独自の着想を得たとしても、条文が曖昧・不明確であるがゆえに、本来であれば問題のない場合であったとしても「もしかしたら指定されるかもしれない」と考え、表現活動を自粛してしまう強い恐れがあるのです。

 また、具体的な改定案が公表されてから、わずか3週間余りのうちに改定案が可決された点も問題です。そもそも、前回の改定案は、現行条例を改定する必要性がないのではないかという反対論が広がった結果、6月の議会で民主的に否決されました。そうした経緯がある以上、改定案を必要とする事実関係の有無について、関係者間の十分な検討を経た上で、その相互理解を醸成することが必要なはずです。しかしながら、改定案は、そうしたステップを踏むことなく、半ば秘密裏に一方的に立案されたものであり、真の民主的な手続を欠いています。

 改定案について、都議会は、問題のある条項の適用に当たって「作品を創作した者が当該作品に表現した芸術性、社会性、学術性、諧謔的批判性等の趣旨を酌み取り、慎重に運用すること」との付帯決議を可決しました。この文言が、反対論者をなだめるための単なる道具ではなく、漫画家の表現の自由を尊重し、その創作活動を萎縮させないための生きた指針となるよう、私たちは今後、改定案の運用について厳しい監視活動を続け、仮に、問題がある事例がみられた場合には、その都度、声を上げていく決意であることをここに表明致します。


平成22年12月22日
社団法人日本漫画家協会・21世紀のコミック作家の会・マンガジャパン