21世紀のコミック作家の会

トピックス

違法インターネット事業者の逮捕に関する声明文
2006年2月14日
『464.jp』サイト運営者逮捕について

本日、コミックを違法にインターネットで送信していたサイトの運営責任者らが逮捕されたという連絡を受けました。

この『464.jp』(よむよドットジェーピー)という名前の違法サイトは、私たち作家に無断で、何万冊ものコミックをスキャニングして、無料で配信していました。

私たち「21世紀のコミック作家の会」は、昨年秋から、何度も、サイトの運営責任者に対して違法行為を中止するよう求めてきました。
しかしながら、当会の要請はことごとく無視され、作家の許諾を得ずに大量の漫画を配信するという犯罪行為が続けられたことは、誠に残念なことであり、また、強い憤りを覚えます。

この度、当会の会員を含めた9人のコミック作家が、権利を侵害された多数のコミック作家を代表する形で、違法サイトの運営責任者を告訴するという断固たる対応をとりましたが、当会及び賛助会員である出版社も、これを全面的に支援しております。

当会は、平成12年4月に設立して以来、平成16年の著作権法改正により書籍・雑誌に対する貸与権を獲得するなど、コミック作家の努力の成果が作家に還元される環境を作るために努力して参りました。
設立当時は、新古書店・漫画喫茶の進出等というコミック業界を取り巻く環境の急激な変化にさらされ、作品の創造に対する正当な対価さえ得られない状況が生じていました。
このままでは、多くの先輩の努力と読者の方々の支持により、世界に冠たる文化として花開いた日本のコミック文化が衰退してしまうという強い危機感が、今日まで、私たちを活動に駆り立てて参りました。

コミックは、私たちが、苦心惨憺して創り出した作品であり、いわば子どものような存在です。そういった作品を無断でインターネットで配信することは、私たちの苦労にただ乗りする行為であって、決して許すことができません。
さらに、このような違法サイトが放置されるならば、私たちコミック作家だけではなく、正当な許諾を得て適正な使用料を支払った上でコミックのインターネット配信を行っているサイト事業者も、業務を妨害されることになります。
このことは、インターネットを通じてクォリティーの高いコミックをできるだけ多くの方々に読んでもらうという、コミック作家の今後の課題にとって、障害になりこそすれ、何ら益するところはありません。

読者の皆様には、何とぞご理解下さいますようにお願い致しますとともに、今回、違法サイトの摘発に尽力してくださった、福岡県警警察本部と、社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会の皆様には、深い謝意を表します。

今後とも、当会といたしましては、コミック作家の権利を守ることによって、読者の皆様に、よりクォリティーの高い、面白い作品を発表できるよう努力して参りますので、引き続きご支援下さいますよう、お願い申し上げます。

以上